廃虚

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『けものフレンズ2』9話 、そんなに酷いですか?

 

  1期の監督を担当されていたたつきさんをはじめとしたヤオヨロズ降板以降、色々な意味で話題になることが多かったコンテンツという印象だったけものフレンズ2。その9話において主人公のキュルルのイエイヌに対する態度が酷い等という事でとても批判を受けていました。私は1期は視聴していたのですが、2017年9月25日以降、9割方不毛な争いがしばらく続き、嫌気が差したのであまり関わりたくないなあという思いが最近までありました。

 しかし今回のここまでの燃えかたは流石に異常過ぎると感じ、視聴した上でここに至るという訳です。

 

 今回特に不満に挙がっていたのは

 

  1. 一緒に暮らしていたヒトの帰りを待っており、ヒトの為に一生懸命尽くしていたイエイヌに対してキュルル達が何も反応しなかったこと
  2. そんなイエイヌが「おうちにおかえり」と言った事に対してキュルルがそのように返し、「イエイヌと一緒に行く」と言わなかった

 

        インターネットでの評判を見たところ、この2つがイエイヌに対して非情であり、キュルル達が冷血だというのが主な不満として言われていました。

1に関してはカラカルが確かに辛辣なニュアンスの発言をしていましたが、これはキュルルがイエイヌの依頼によって一方的に連れ去られ、そのイエイヌがビーストに苦戦しているのを観れば「ヒトを守る」と言っていたのに不甲斐ない、と感じるのもカラカルの立場なら仕方ないかと思います。

 2つ目については、持論になるのですがキュルルはイエイヌの待ち望んでいた「ヒト」ではありません。それ故にキュルルにはイエイヌに尽くされる理由は本来無い訳です。しかし、イエイヌのそこまでの描写を観ればキュルルの事を大切にしてくれる事はある程度想像がつくでしょう。しかし、尽くされる理由が無いにも関わらず、相手の善意を理由にその恩恵に与るというならばそれは搾取です。ならば、キュルルが取った行動はイエイヌに対して最も誠実な行為だったと言えるのではないでしょうか。

 その上で、この話では制作者達は犬が勝手な人間の都合で放置され、保健所に連れて行かれた後に殺処分されるという事への批判を暗示したかったのでは無いでしょうか。ちなみに環境庁の統計資料によると犬・猫の殺処分数は現象傾向にあるようです。

 

https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html

 

 今まで安全地帯から眺めていたのに何を偉そうに、と思われる事は承知の上で申し上げるならば、私は少なくともこのエピソードからは動物を大事にしたいというKFPの理念は感じられました。個人的には『けものフレンズ2』はキャラクターの辛辣な発言が増えた程度で、「動物について興味を持って貰う」為のハブとして役割を果たしているんじゃないかと感じます。

 否定的な意見がよく見られる本作ですが、作品の裏に込められた意味を理解した上で否定的な意見を言うならば、先ほど書いた通り作品としての色が違うので仕方ないとは思います。ですが、ヤオヨロズ降板諸々憎しで全てを悪いように捉え、公式だけでなくけものフレンズ2を肯定的に見ようとしている方々にまでも誹謗中傷を行う事はハッキリ言って時間の無駄です。お互いにとって不幸な事だと思います。

 そんな訳で、流石に今の『けものフレンズ2』は酷い作品だから好きなだけ叩いて良いという風潮は違うんじゃないかと思いました。時間の許す限り他のエピソードも見ていきたいと思います。